ぽち

揺れる大地のぽちのレビュー・感想・評価

揺れる大地(1948年製作の映画)
2.0
搾取される人々の悲劇を描いているのだが、あまりに救いが無く気がめいる作品。
また、70年以上の歳月がテーマ自体を風化させていて、正直なところ今この作品を観て社会的テーマに共感する事は出来ない。

確かに今の方が強者による搾取は多くなっているのかもしれないが、それをサポートする社会制度もあるし、特に日本では主人公に感情移入はしずらい。

まるで江戸時代の悪徳大寒に苦しめられる農民を見ているようで、リアリティがない。って感じてしまうのはリアリズムを追求した今作にとって皮肉だろうか。

ネオリアリズモ自体が理解に苦しむ思想で、その上に建てられた今作は賞味期限切れと言って良いのではないだろうか。

ってことで、好き放題書いているけど、ホント、ごめんなさい、正直に言わせてもらうと、ネオリアリズモって何?
これが理解できていないと今作の根底にあるテーマはまったく見えないのではないだろうか?

で、WIKI,を見ると
「リアリズムの方法で現実を描写する傾向は、当時のイタリアで支配的だったファシズム文化への抵抗として、また頽廃主義の克服として、1930年代ごろすでにあらわれ始めた新たな社会参加から生まれた。」

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「ネオレアリズモが確固たる地位を得たのは1943年から1950年にかけてである。この時期はファシズムとナチズムに対する抵抗の時期であり、また戦後の混乱期であった。この間多くの作家が、初めはパルチザン闘争に、次いで政治的議論に関わりあった。パルチザン闘争、労働者の要求、市民の暴動といった主題が、この時期のネオレアリズモ映画やネオレアリズモ文学によく現れる。」

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もうね、分からんですよ。
だから個人的に「風化したテーマ」と思うわけで・・・・・・・

これを無視してストーリーだけを追い悲劇としてドラマを楽しんだとしても、それは今作の存在意義とは別のところではないだろうか。

確かにいったん公開され作者の手を離れれば、どのように楽しもうが視聴者の勝手だが、今作の悲劇だけを強力に描いた物に共感は出来ず、もし感動するのならそのテーマにするしかないのでは?

ネオリアリズモを理解し、今作に感動している方々って、すっげ~!!!って思った作品。
ぽち

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