MarySue

リメンバー・ミーのMarySueのネタバレレビュー・内容・結末

リメンバー・ミー(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

タイラーは兄が自殺し、妹はいじめに遭い、父親は仕事人間で家族のことを気に掛けようとしないが、母親はいい母親。実際、父親は自分のことが好きだったという理由はよく分からず。まあ不器用そうな父親だから、で説明出来そうな気もするけど。とにかくかなり辛い人生を歩んでるタイラーは自堕落で人生に意味なんてないって思い込んでいる。

アリーは11歳の頃、目の前で母親が強盗に殺される。その出来事があって警察官の父親は過保護で、アリーが21歳になっても執拗に縛り付けて子供扱い。本当に大切で絶対に失いたくないっていう父親の気持ちが分かるから、アリーの自由にさせてって気持ちも分かるんだけどなーってなる。いい対立と葛藤。母親のことをあんまり引きずってないのは、10年前だしある程度吹っ切れてると思う。母親が殺された現場の地下鉄に乗れないのは、アリーの中にある最後の砦。そこを解消出来れば大きく前に進める。でも観客からすれば「10年後〜」ですぐ成長したアリーだから、行間が伝わりづらい。リアルではないかもだけど、もっと引きずってるくらいが感情移入出来るし、明確な変化をやりやすい。

肝心のストーリーは丁寧で分かりやすいけど、なんかもう一つ関連させる出来事があっても良かったかなって。タイラーの父親が弁護士っていうのは若干ご都合主義だし、タイラーは人のこと言えないだろって感じで退廃的だし、アリーはトラウマ抱えてるかなんか分かんないし、とにかく100%感情移入出来なかった。よく出来てる割にはリアルを見せようとして創作に成りきれてないのが勿体無いなと。

そしてなによりラスト。あれは絶対にやっちゃ駄目。脚本家のエゴの塊でしかないし、最後にひっくり返す何かの中で最低ランクのことやってる。あれを許して「はい、胸糞衝撃的な展開ですよー」がまかり通ってはいけない。あれがなかったら点数3.8かなって思ったけど、点数を付けたくもない。
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