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わが青春のフロレンスのcoroのレビュー・感想・評価

わが青春のフロレンス(1970年製作の映画)
3.3
19世紀末。絵画を纏っているように感じさせるフィレンツェの街を背景に、激動の時代を生きる主人公の半生とは対照的な柔らかな色調で綴られる物語。

反体制的な思想を持ち、家族を顧みない主人公に亡き父の姿が重なり、その影が忍び寄って来るような不穏な空気が終始漂っている。
そんな彼を陰で健気に支え続ける妻を演じる、(久し振りに出会えた)O・ピッコロの存在が大きい。その凛とした佇まいが、家族のその後の運命を暗喩するようなオープニングと重なるエンディングに、光を差し込んでくれる。


ただひたすら繰り返されるばかりの、美しく哀愁を帯びたモリコーネの曲が可哀想
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