emily

バベルのemilyのレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
4.2
たった一つの銃弾、子供が遊び心で銃弾がアメリカからの観光客リチャードの妻スーザンがその銃弾を浴びてしまう。舞台はモロッコ。同じころ東京では耳の不自由な女子高生チエコは日常にイライラしていて、思春期ならではの悩みと葛藤していた。
時間軸が少しずれたところでリチャードとスーザンの子供達は、ほかに面倒見てくれる人が見つからないため、家政婦と一緒に彼女の息子の結婚式でメキシコに行く。

舞台はモロッコ、メキシコ、日本(東京)。交わることのないように見えるこの3つの土地で、少しずつつながりがあって、最終的にはちょっとした些細な事が大きな結果を生んでしまったということを、ドキュメンタリータッチに描いている。
とても冷たく、でも愛にあふれている。

死や極限に立たされた時に、本当に大事な物に気づく。もちろん失ってからでは遅い。そんな極限状態になって、やっと自分よりも大事なもの、人を愛することの大切さに気が付くのだ。
人生は選択の連続で、それは偶然ではなくすべてが必然なのだ。すべての出来事には理由があり、結果がある。その事実をたたきつけられた時、果たしてこの映画は何が言いたいのか・・やはり観客を選ぶ映画であることは間違いない。

ほんの些細な事がここまでの大きな事件を起こしてしまった。あの時こうしていれば結果は変わったかもしれない。しかしそのあの時は戻ってこない。大事な物を失った時ではすべて遅いのだ。
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