モロッコ、アメリカとメキシコ、日本…遠く離れた地域に住む人たちに起こるそれぞれの物語が、1つの事件をきっかけに交差する。
タイトルは、人間の傲慢を正すため、神が世界の言語を異なるものにして人々が意志疎通できないようにしたという「旧約聖書」創世記第11章にあるバベルの塔の物語から。
監督は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
カンヌ映画祭監督賞授賞。
原題:Babel
(2006、2時間22分、PG12)
①モロッコ
羊飼いの幼い兄弟が、ライフルの腕を競ううちに観光バスを標的にする。
銃弾が貫通したアメリカ人夫婦の妻(ケイト・ブランシェット)は瀕死の重症に陥り、バスは医者がいるという近くの村へ向かう。
夫(ブラッド・ピット)は必死に救助を求めるが、一向に助けがこない。
さらに、テロ事件を疑われ国際的な問題に発展、やがて使われたライフルがモロッコに来た日本人(役所広司)が持っていたものだと判明する。
撃たれた妻、羊飼いの兄弟とその父親はどうなるのだろう?
②アメリカ・メキシコ
カルフォルニアで16年間乳母として働く(不法労働者の)メキシコ人女性(アドリアナ・バラッザ)は、故郷のティファナで行なわれる息子の結婚式に出席することになっていたが、白人夫婦から幼い子ども二人の世話を押し付けられる。
結婚式が終わり、甥(ガエル・ガルシア・ベルナル)の運転する車で戻る途中、アメリカ国境の検問所で、車中にいる白人の子どもを不法に連れ去った(人身売買)と疑われる。
不法労働者の乳母や子どもたちはどうなるのだろう?
③日本の東京。
母親を亡くし、父(役所広司)と二人暮らしになった聾唖の女子高生( 菊地凛子)は、孤独感や疎外感から父親をはじめいろいろな人に感情を爆発させ、不良じみた行動をとる。
ある日、刑事が父親に面会を求めて自宅を訪れるが、彼女は、刑事の訪問が自分の母親の死と関係があると誤解する。
母を亡くした娘はどのような行動をとるのだろう?
「ブロークバック・マウンテン」のグスターボ・サンタオラヤの音楽も印象的。