瀬尾まいこの同名小説を三宅唱監督が映画化。
PMS(月経前症候群)で悩まされる女性とパニック障害を抱える青年の交流を描く。
(2024、120分)
PMS(月経前症候群)のため就職してすぐ辞職した藤沢さん(上白石萌音)は、5年後、栗田科学という零細企業で商品管理の仕事をしていた。
そこに、同年代の山添くん(松村北斗)が転職して来る。
藤沢さんは、山添くんにイライラを爆発させるが、彼がパニック障害を抱えていると気づく。
そして、2人は"移動式プラネタリウム"の番組制作を一緒に担当することに…。
「あっ、病気にもランクがあるってことか?
あ、PMSはまだまだだね…」
「男女間であろうとも 苦手な人であろうとも 助けられることはある」
「…今、ここにしかない闇と光。全ては移り変わっていく。
一つの科学的な真実。✳️
喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も、地球が動き続ける限り、必ず終わる。そして、新しい夜明けがやってくる。」
←最後は、ヘミングウェイの「陽はまた昇る」を想起。
~登場人物~
①藤沢美紗(上白石萌音):PMS(月経前症候群)のため、その時が来るとイライラを制御できない。
・母、倫子(りょう)
・友だち、岩田真奈美(藤間爽子):大学時代の同級生。
②山添孝俊(松村北斗):2年前からパニック障害を患い、電車にも乗れない。将来を有望視された大手の会社 から転職。
・その会社の上司(先輩?)、辻本憲彦(渋川清彦):5年前に姉を亡くす。山添が復帰できるよう会社に働きかけている。
・恋人、大島千尋(芋生悠):前の勤務先の同僚?
③栗田科学:プラネタリウムや顕微鏡のキットを作る零細企業。
・社長、栗田和夫(光石研):弟を亡くしている。
・社員(久保田磨希、足立智充、…)
④「自死の会」(?)のメンバー(丘みつ子)
①互いの病気について無知な2人は、相手の病気について知ろうとそれぞれ本を読んだりして勉強する。その姿勢が人と人との相互理解には大切だ。
②職場の人たちなど周囲がみんな理解ある"良い人"だらけ。
メルヘン?
③上白石萌音が終盤に語る「夜についてのメモ」(筆者は自殺)がこの作品のすべて。
(以下は余計ですが、✳️に関連して参考まで)
…でも、著名な物理学教科書を書いたノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマンは「科学的知識というのは…さまざまな度合いを持った理論の集まりですが、絶対的な確実性を持つものは一切存在しません」と述べております(『困ります、ファインマンさん』収録「科学の価値とは何か」より)。