Yoshiyuki

輪舞のYoshiyukiのネタバレレビュー・内容・結末

輪舞(1950年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

La Rondeの Rondeはフランス語で'round'という意味。
タイトルらしく、ストーリーも10人の登場人物の関係性が円のような形で描かれている。
登場人物の関係性だけでなく、主題の音楽(ワルツ=円舞曲)やシーンに出てくる小道具(風船、自転車、観覧車、噴水など)にも「円、丸」に関連するものが出て来て、それを発見するところにも楽しさを感じることが出来る。
Max Ophuls監督の特徴である、長回しのショットや階段を含んだシーン、カメラと登場人物の間に障害物を挟んだ撮影などがたくさん詰まっている。彼の長回しは、あからさまで技術を主張してくるようなものではなく、より繊細で穏やかな感じがする。カメラアングルや照明と登場人物の雰囲気や感情の表現の仕方の関連性を勉強する上でも良い作品だと思う。

技術面だけでなく、ストーリー面でも良いものと思った。物語の内容を聞いた際は「くだらない内容だな、、、。」と思ってしまったが、実際は10人の性やロマンスがコミカルに軽やかに描かれており、潔さを感じる描き方で観ていて不快感が全くなく、面白かった。楽しいだけではなく、「愛や男女の関係ってなんなんだろうな?」と考えさせてくれる点で、しっかりとメッセージを持っていたと思うし、重苦しく悩ませるようなメッセージではなく、軽くふと楽観的に思わせてくれるような点でも素敵なストーリーだと思った。
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