TAK44マグナム

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.8
平成ガメラ三部作で監督を務め、全怪獣映画ファンに多大な信頼をもたらした金子修介が、今度はゴジラを監督するというわけで大興奮したのをおぼえています。
あのクオリティでゴジラが観られるのかと。
というか、ゴジラとガメラのどちらも監督できるなんて、単純に凄い。怪獣好きな監督さんたちは、きっとジェラシーを感じたに違いない!

本作のゴジラは、日本を守るために散って行った英霊たちの化身であり、堕落しきった日本人を粛清する怨霊であります。
それに対するは、古からの守護聖獣たち。すなわち、バラゴン、モスラ、そしてキングギドラ。

ゴジラの凶悪さを前面に押し出した演出の数々は冴えており、特に篠原ともえの場面が容赦なくて良いですな。
バラゴンとのバトルも一方的で、ゴジラの強大さを感じさせるには充分。噛ませ犬となるバラゴンは可哀そうですが。

ミニチュアワークもガメラゆずりで、それまでの平成ゴジラシリーズと比べても格段にアップデートされています。

基本的な設定を含めて、従来のゴジラ映画とは一線を画すものですので、賛否両論あろうかとは思いますが、怪獣映画としての完成度の高さは認めざるおえないのではないでしょうか。
ただし、平成ガメラシリーズで味わえた高揚感にはまだ遠く、それは偉大なゴジラシリーズという高い壁を乗り越える困難さそのものを表していると感じました。

・・・などと、ここまでは真面目に作品の感想をのべてきましたが、劇場で鑑賞した際の、「とっとこハム太郎」との同時上映という愚行は、本当にどうしたものかと思いました。
確かに、昔のチャンピオンまつりとかもカオスの様なラインナップでしたが、短編のハム太郎を観おわり、恐ろしい白目のゴジラが咆哮しだした途端に席をたつ親子連れが多数・・・という事実が、ゴジラとハム太郎というラインナップのビジネスライクな無茶ぶりはどうなんだ・・・?という複雑な思いを、一気にガランとなった劇場に残ったイイ大人な自分にもたらしたのです。
まあ、結局のところ何が言いたいのかと言うと、「ゴジラを観れ!」ってことなんですがね。
ちなみに、モーニング娘が声優やったりしてたハム太郎も楽しんで鑑賞しましたよ~。


劇場にて