Kz氏

遥かな時代の階段をのKz氏のレビュー・感想・評価

遥かな時代の階段を(1995年製作の映画)
3.5
4Kデジタルリマスター版を、4K対応のギガ数がないPCで一気見する。

カミさんの影響で「二十世紀少年読本」「夢みるように眠りたい」を巡った後にたどり着いたが、林海象映画のトーンが、エースのジョーまでレギュラーの往年の日活アクションに一変して驚いた。けれど、たちまちはまって、カミさんともどもTVシリーズまで追いかけたのは、思い出。

濱マイク探偵事務所が2階にあった横浜日劇が今のジャック&ベティだと久しく思い込んでいたが、「洋画は日劇、邦画は名画座」で、隣接の横浜名画座なのだと記憶を修正した。横浜日劇は2007年に取り壊されたそうな。学生時代、日活ロマンポルノを見に通った記憶があるので、ポルノ専門館だった時代もあるのではないか。今は昔、労務者のおっちゃん達に混じって、平気で煙草をふかしながらスクリーンに見入っていた。その横浜を代表するミニシアターも、閉館の危機にありクラウドファンディングを募っている。
(ここまで三作品とも同じ)

カラーになって、永瀬正敏の悪趣味なファッションが楽しめる。
鰐淵晴子に岡田英次まで出てくるので、60年代テイストが濃くなる。マイクが白いメリーさんに導かれて白い男を追うシーンは、焼け跡闇市の幻想をくぐり抜けるアングラで、これは佐野史郎や麿赤兒の演劇・舞踏の60年代。遙かな時代に臨む映画。
Kz氏

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