当時の香港アクション映画は脚本はあってなきがごとし。思い付きでドタバタやっているようなものばかりであった（まあそれはそれで面白いんだけどね）。そんな中、生まれた奇跡の傑作がご存知『霊幻道士』シリーズの１作目である。
いや、本作も基本的にはドタバタやっているんだけど、チェン道士（ラム・チェンイン）をはじめとする役者陣の体を張ったアクション、青色を基調にした幻想的な夜の映像美、それなりにしっかりしたストーリー（人間の青年と幽霊の美女の悲恋は『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』より早い）、爆笑物のギャグ、なによりキョンシーの設定が素晴らしい。本作がキョンシー映画を確立し、世界中に広めたのは間違いない。
未見の方は機会があったら、特撮とカンフーアクションとギャグの融合したこの傑作をぜひ楽しんでほしい。
