きんぽうげ

ヴィルコの娘たちのきんぽうげのレビュー・感想・評価

ヴィルコの娘たち(1979年製作の映画)
2.5
15年前若かった頃、臆病であった主人公は思いを遂げる事ができずに戦争に駆り出されてしまった。15年後、その当時の娘達は年老いた。一人だけを除いては。生活にくたびれていた。若い娘は彼の若い頃の投影であり、そんな思いを残してヴィルコの街を後にする。
音楽のせいもあるのだけれど、韓国映画あるいは昔の大映の映画の雰囲気であった。今一つのめり込めなかったのは主人公の生気のなさが比例しているのかも知れない。いわば、懐古的なマイナスのイメージの映画であったような気がする。
アンジェイ-ワイダは難しい作家だと思う。戦争に絡んだこの間の『聖週間』のようなタイプもあれば、『悪霊』のような世界もある。今回は不発だったか。
とは言うものの女は可哀想だという事と生気のないのは良くないことだというのが分かった。
その思いをすべて遂げられる事は、恐らくは非常に困難であるとは思うのだけれど、つまり、人は当たり前に年を取るものなのだから。
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