きんぽうげ

バーニング 劇場版のきんぽうげのネタバレレビュー・内容・結末

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

暗いトーンの画質。荒れ果てた土地。関係による食い違いと劣等感。そういったものが入り混ざった夢の中の出来事のようだ。元来、村上春樹の小説の中には、北朝鮮との国境にある村の感覚は無いだろう。それを、敢えて幼なじみの男女として登場させ、まるっきり正反対の生活を送る男と絡ませる事によって生まれる違和感を出そうとした。結果は良かった。独特の味わいがある。
夕暮れ時に、外で陽が沈もうとする時間帯でのシーンは、なんとも言えず綺麗に見えた。自然の移り変わりは、時を忘れさせ、同化していくような感覚に陥れる。
原始の人間のように踊る姿は、それをよく表していたと思う。
アフリカに行き、足止めを食らった空港で出会うというのは、いかにも村上春樹らしい出会いである。すべての話が彼の書く小説を反映したものであるとすると、燃えたハウスも、彼女が落ちた井戸も、現実には無くて当然である。
音楽の使い方が抜群に良かった。
きんぽうげ

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