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逆襲!殺人拳のblacknessfallのレビュー・感想・評価

逆襲!殺人拳(1974年製作の映画)
2.8
殺人拳シリーズ3作目。
かなりテイストに変化が。前作まで性格の変化こそあったけど、ニヒルで孤独な武道家の殺し屋だったけど、今作は殺し屋じゃないんだよ。
総会屋一族の兄から立て籠り中の弟の救出を頼まれるとこから物語はスタートする。
この救出で剣 琢磨 警官に変装して救出するんだよ。
助けられた弟から「おまえは誰だと!?」問われ、明智小五郎みたいに顔をペリペリさせて変装ラバーを取り「不可能を可能にする男、剣 琢磨」ニヤッ「長生きしたきゃ覚えておきな」ドヤッ てな感じで得意気に見栄を切ったとこでタイトルが。

いつの間にこんなルパン三世みたいなキャラなったんだよ、剣、、笑

この違和感はかなり大きくて戸惑ったね。
これでいくの?みたいな笑

で、これでいく訳なんだよ。ストーリーも前作までの恩讐や情念的なものは消え、純粋に大企業や大物総会屋一族、政治家、検察官が総会屋や大企業から強請った10億を廻って争い、そこに剣も参戦していくクライムサスペンスなんだよ。

そーゆー話だからブルース・リーから離れて変装やトリックを使う一人オーシャンズ11な演出は正しい選択と言えるけど、やはり違和感が笑
剣のマンションが隠し部屋があって、そこに武器や変装ラバーがあるのは画的にはおもしろかった笑、けど、こんなゴルゴ13みたいガジェット出されても困るよな、殺人拳なのに、、これじゃねえんだ感が増した笑

でも、シリーズ・カラーから逸脱してるからつまらないって言うとそうでもないんだよね。

ライバルのフリーの殺し屋の拳法使いで志穂美悦子が出てくる。今回は台湾人の設定。志穂美悦子は日本人じゃない設定多いよな。
総会屋が雇ったアメリカNo.1の殺し屋ブラック。
ブラックはなかなかインパクトがあって殺し屋なのに何故か日本のバラエティーー番組で超能力を披露(指からビームを出す)したり頑丈なクサリを指でばらして怪力アピール。
ファッションも奇抜で何故かマタドールのかっこなんだよ笑
テレビ用じゃなくて剣と対決する時も同じかっこだからね笑
事件の立件しようとして企業と癒着した上層部に圧力をかけられたことで、総会屋から10億を奪うことに宗旨変えした悪徳検察官。
この悪徳検察官が空手の凄腕で最後まで剣を苦しめることになる。
総会屋の妹のセクシー美女、これは池玲子さんが演じてる。彼女は分かりやすいファムファタルで美貌を武器に剣を悪徳検察官を翻弄し罠に嵌めようする。
何気に志穂美悦子と池玲子さんが共演してるの珍しいと思う。東映でもカテゴリーと言うか生息域が違う印象なんで、これはちょっと嬉しかった。

強烈な個性と毒を持ったキャラクターが入り乱れての金の争奪戦はクライムサスペンス的な楽しさはあるんだよね。

でも、殺人シリーズにそんな頭脳戦は求めてなかったし、アクションも空手が減って銃撃戦が増えたし、最後まで違和感は取れず歯痒かったな、、笑
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