今年もよろしくお願いいたします。
解説もしていただきました。
人間がいとおしく思えてたまらない。
戦争を描かない第一次世界大戦中を描いた作品。
戦争中とは思えない捕虜の暮らし。
そして、何よりもいいやつしか出てこない。
貴族階級と平民の格差というのも垣間見ることはできるのだけれど、それよりも
ナチスやフランス軍、を超えた人間、人間のつながりを信じたかったのではないだろうか。
ボワルデューとラウフェンシュタイン。
ルノワールのエッセイの中で、「もう何の役にも立たない」と
「大いなる幻影」と述べていたのにもかかわらず、
自分で散逸したフィルムを集め、再編集したというのはやはり思い入れの強い作品で
あったのだなぁと。
また、シュトロハイムという、映画界の化物というルノワールが尊敬する人物に
出演してもらう、という、また、彼にしかできないあの役。
また、ルノワールが「何ひとつ言わず、何もかも分かってくれたギャバン。」
と評したギャバン。ギャングの彼もかっこいいのだけれど、それよりも
ルノワールでの彼が、稚拙で申し訳ないが、なんだか私は好きなのだ。
名演というより、周りもたっていて、自分自身も映えているのだ。
幻影なんて言いたくない 、、。