ナツミオ

英国王のスピーチのナツミオのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
4.4
WOWOW録画鑑賞
【アカデミー賞特集2022・作品賞編】
英国王と平民の言語聴覚士との友情を描いた史実に基づいた名作。

4,5回目の鑑賞。
過去未レビューのため、再投稿。
イイネ!頂いた皆さん、ありがとうございます‼️

自身の吃音症に悩んだ英国王がある言語聴覚士の協力を得て、世紀の一大スピーチに臨んだ……。
感動の実話を再現し、世界各地の映画賞、合わせて63個受賞に輝いた秀作‼️

【映画賞】
・アカデミー賞12部門ノミネート
(助演男優・助演女優・編集・美術・衣裳デザイン・録音・作曲・撮影賞)
4部門受賞(作品・主演男優・監督・脚本賞)

・ゴールデングローブ賞7部門ノミネート
(映画作品(ドラマ部門)・助演男優・助演女優・監督・脚本・作曲賞)
受賞(主演男優賞)

原題 『The King's Speech』

2010年英・豪・米作品
監督 トム・フーパー
製作総指揮 ジェフリー・ラッシュほか
脚本 デヴィッド・サイドラー
音楽 アレクサンドル・デスプラ
撮影 ダニー・コーエン
出演 コリン・ファース ジェフリー・ラッシュ ヘレナ・ボナム=カーター ガイ・ピアース ティモシー・スポール デレク・ジャコビ マイケル・ガンポン

翻訳者 松浦美奈

(WOWOW番組内容より)
英国王ジョージ5世(ガンポン)の次男アルバート王子(ファース)は幼い頃から吃音症に悩み、内向的な性格に。
そんな夫を心配した妻エリザベス(ボナム=カーター)は豪州出身の言語聴覚士ライオネル・ローグ(ラッシュ)を頼り、王子は遠慮のない物言いをするライオネルのもと、次々と奇妙な治療法を実践することに。
そんな中、国王に即位したアルバートの兄エドワード8世(ピアース)が王室が認めぬ米国人ウォリス・シンプソン (イヴ・ベスト)との恋を貫き、突如王位を返上する事態に。ジョージ6世になったアルバート王子は国民にスピーチをできるのか⁈
またヨーロッパではナチスドイツの勢力が拡大し戦争の足跡が迫っていた……。


自らも吃音症であった脚本家のデヴィッド・サイドラーが、30年以上温めていたこの企画を実現。

英国王と言語聴覚士との友情を軸に、英国王室が時代の急激な変化から変容していく過程も興味深い。
世界大戦が迫る中、国民にとって国王の言葉は重要な意味を持つ。
ラジオ・スピーチの重要さをいち早く理解した父ジョージ5世はアルバート王子に早くから英才教育を施すが…

コリン・ファースの間違いなく代表作となった作品。

最初の万国博覧会でのアルバート王子(ファース)のスピーチが緊張感に溢れ、また多数の聴衆が見守る中、吃音症のプレッシャーに押し潰される王子"バーティ"が痛々しい。
言語聴覚士ライオネルとの出会いから、いかに吃音症を克服していくのか、の過程も丁寧に描かれる。
一回目の面談で途中帰ってしまうバーティが、後に自分の声を録音したレコードを聴いて、澱みなく話す自身の言葉に驚き、ライオネルの元へ通う様になる。

ライオネルがバーティの心の奥から過去のトラウマを引き出し、自信を付けさせよう
と、色々な工夫を凝らした取組みが興味深い。ビー玉を頬張る治療法より効果絶大!

過去幼少時のトラウマ(乳母からの虐待、左利きの無理な矯正など)も原因の1つ。
怒りから口にする悪態は滑らかに口にできる。

ライオネル役ジェフリー・ラッシュは製作にも参加。
実際のライオネルより老けている感はあるが、王子と対等な立場でカウンセリングする彼を熱演。彼の妻や子供たちとの関係も素晴らしい。
子供たちとのセリフ・ゲーム……

バーティの妻役ヘレナ・ボナム=カーターが夫を助け励ますエリザベス王妃を熱演。

史実に基づくので、脇役も多彩。(忘備録に記載)

終始、流れる静かだが軽やかなピアノの劇伴は、名匠アレクサンドル・デスプラ。
この人の楽曲の作品は多いが結構知らずに観ていた!

上質の歴史ドラマ。
大好きなスルメ作品。



忘備録
・英国王室が登場する近代〜現代の作品は
結構ありますネ(鑑賞済みのみ)
 
『英国王のスピーチ』(2010)本作
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)
『チャーチル ノルマンディーの決断』(2017)
『ロイヤル・ナイト英国王女の秘密の外出』(2015)
『クイーン』(2006)

【キャスト】
※括弧内は日本語吹き替え

・ジョージ6世 (アルバート王子)
- コリン・ファース(堀内賢雄)

・ライオネル・ローグ (豪人の言語聴覚士)
- ジェフリー・ラッシュ(壤晴彦)
オーストラリア出身の俳優。
『シャイン』(1996)でアカデミー主演男優賞受賞。この時、史上初のオーストラリア人で演技部門におけるオスカー受賞者。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のバルボッサ‼️

・エリザベス妃 (ジョージ6世王妃)
- ヘレナ・ボナム=カーター(佐々木優子)

・エドワード8世 (ジョージ6世の兄)
- ガイ・ピアース(宮本充)
プレイボーイの役柄はピッタリ‼️

・ウィンストン・チャーチル (海軍大臣)
- ティモシー・スポール(宝亀克寿)
外見は似ていないが、頑固で堅い意志を持つチャーチルの雰囲気抜群。

・大司教コスモ・ラング (英国国教会)
- デレク・ジャコビ(糸博)
ライオネルを排除しようと別の医師を呼ぼうと画策するもジョージ6世に固辞。

・マートル・ローグ (ライオネルの妻)
- ジェニファー・イーリー(水野ゆふ)
国王夫妻が自宅に訪れているのを知らずに帰宅した時の驚きと喜び。

・ジョージ5世 (ジョージ6世の父)
- マイケル・ガンボン(真田五郎)
自身の受けた英才教育を息子アルバートにも受けさすが…

・スタンリー・ボールドウィン (元英国首相)
- アンソニー・アンドリュース(山内健嗣)
ウォリス・シンプソンとの恋愛問題をめぐって国王エドワード8世に退位を迫った。

・ネヴィル・チェンバレン (英国首相)
- ロジャー・パロット(をはり万造)
前首相から引き継いだ"宥和政策"でナチスの勢力拡大を許す。

・ウォリス・シンプソン (米国婦人、エドワード8世の愛人)
- イヴ・ベスト(下田レイ)
中々、嫌な役柄。

・エリザベス王女 (ジョージ6世長女)
- フレイア・ウィルソン(山根舞)
現、エリザベス2世女王
父と接し次期国王としての自覚が芽生え出す。

・マーガレット王女 (ジョージ6世次女)
- ラモーナ・マルケス(日向ゆきこ)
この頃から自由で活発な雰囲気⁈

・メアリー王太后 (ジョージ5世王妃)
- クレア・ブルーム(水野ゆふ)

・グロスター公爵(ジョージ5世三男)
- ティム・ダウニー
兄にエドワード8世、ジョージ6世、姉にハーウッド伯爵夫人メアリー、弟にケント公ジョージらがいる。

・ロバート・ウッド
- アンドリュー・ヘイヴィル(板取政明)

・ラジオアナウンサー (BBC)
- エイドリアン・スカボロ(樫井笙人)
綺麗な正統英語

【製作】Wikipediaより
自らも吃音症であった脚本家のデヴィッド・サイドラーは、30年以上この企画を温めていた。これは、ライオネル・ローグに関する記録がほとんど手に入らず、ライオネルの息子バレンタイン(Valentine)が保有していた治療記録は、ジョージ6世王妃(後の皇太后)エリザベスから存命中の公表を拒まれたからである。
皇太后が2002年に101歳で死去すると、サイドラーは作業を再開する。

過去レビュー
間違いなくコリン・ファースの代表作‼️
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