もとまち

復讐捜査線のもとまちのレビュー・感想・評価

復讐捜査線(2010年製作の映画)
4.1
「そこそこ面白いな」という感情が途切れることなく最後まで続いたのでたぶんめっちゃ面白い映画なんだと思う。愛する娘がいきなりショットガンで撃ち抜かれる序盤には度肝抜かれたし、メルギブの静かに病んでく感じもすごく良い。娘の血が付着したタオルを保管し、娘の遺体から髪の毛を切り取って持ち歩く。完全に正気を失っている。ついでに倫理観も失ったメルギブは、言葉の通じない奴には問答無用で暴力を振るうバイオレントな捜査を開始。復讐に取り憑かれた男の孤独な哀愁を漂わせながら、犯人絶殺の執念で真相を突き詰めていく。そうして見えてくるのは核兵器だとか政府の陰謀だとかなんともB級臭いもので少し肩透かしを喰らったが、途中でメルギブと敵/仲間になる政府の便利屋のオッサンはとても良かった。己の死を悟っている初老の男二人の複雑な関係性がたまらなく渋い。アクションシーンは少ないし地味なタッチの作品だが、70年代風のビターなテイストを思わせるハードボイルド映画の傑作。
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