ギズモX

エデンの東のギズモXのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
4.7
つい先日『グッドフェローズ』を観て思い出したのがこの『エデンの東』
現代のカインとアベルを描いたエリアカザンの傑作だ。

《第一次世界大戦時のアメリカ合衆国。
厳格な父親に愛されている善良な性格のアロンとは違い、強欲な母に似たひねくれ者のキャルは父親に認めてもらおうと努力するのだが…》

この映画を知ったのはスコセッシの『沈黙』を観た直後。
とある映画評論家が『沈黙』は『エデンの東』に大きな影響を受けたと解説していて、それが本作を知ったきっかけ。
その解説の中でエリアカザンが赤狩り時代に仲間を売ったことの経緯と、それに対する救済を求めていた話を知って、どんな感じの作品なんじゃろなと思って鑑賞してみたら、そりゃあもう驚いた!

親がまだ生まれてもいない1950年代の映画なのに、ジェームズディーンの演技が自分をモデルにしたのかと思える程にそっくりで戦慄した!
凄く分かるんだよ!僕もああだったから!😅

今まで色んな作品を観てきたけど、今作ほど
「僕がいる!」
って思ったのは他にはなかったな。
でも、それと同時に
(ああ、みんな同じだったんだな)
って凄く安心してた。
今思えば、あの時の安心感が僕の映画レビューの始まりだったのかもしれない。
この作品は『沈黙』だけではなく、清楚な修道女とふしだらな歌手がゴスペルによって一つとされていく、あの『天使にラブソングを…』などの様々な作品に繋がっていったと、僕はそう考えています。

https://youtu.be/3YziNNCZeNs?si=iZ-fPBXqG-odnmzY

この動画を見ると励まされる。
確かに彼は裏切りという最低の行為をした。
でも、それは非米活動委員会の圧力と、ソ連全体主義の反発からで、彼は自ら率先して密告を行った訳ではないのも事実。
全てが元通りになる訳ではないけれど、救済を求めているのなら赦しが与えられてもいい筈だ。
ギズモX

ギズモX