非常に変わった映画。
ATGぼいな、
こんなだったな、ATGの世界。
近松門左衛門、歴史の中の作家さん、
心中する男女としか、予備知識がなかったが、なかなか凝った話なんだね、
もちろん、現代の常識や感情とは違う点もあり、得心できない部分もあるのだが、
そーか、そーゆー展開ねえ、って興味深かった。
クライマックスの墓場でのラブシーンは、
今まで観たことない映像でした。
こんな美しく、妖しく、哀しく、
残酷なラブシーンがあっただろうか。
岩下志麻は、まあ〜この世のものとは思えないほどの美しさと妖艶さ!
そして、本作の、まさにATG的な演出方法
元々人形浄瑠璃の台本だった原作。
発想を広げて、あえて画面上を
黒子、つまり人形を影で動かす役目の黒装束を見せてくる。
正直、最初は話の邪魔になってしまっていたが、慣れてくると、そこが操っているとも見えないこともなかった。
その他にも、映画でありながら、舞台の上のようなセットなど、
あちこちに実験的手法が散りばめられていて、それはそれで興味深い。
ただ、ちょっと凝りすぎかなとは思うけど
監督のこだわりを全面に出せる時代の大らかさも感じることができました。