Eryyy678

グラン・トリノのEryyy678のレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.4
哀しいけど、どこか暖かい物語。
エンディングでじわじわと感動が押し寄せてくる作品でした。

朝鮮戦争を生き抜いた元兵士で、自動車整備工として生きてきたウォルト。人付き合いも限定的で、気難しい性格の偏屈老人。愛車は″グラン・トリノ″

そんな彼の隣家に、モン族のアジア系の家族が越してきた。
当初はこのモン族の家庭を疎ましく思っていたウォルトだったが、彼らと交流していくうちに、その見方を変えていく。

元老兵は、モン族の少年″タオ″との交流を通して親交を深めていく。
しかしタオに付きまとう従兄弟のギャング達。

「生と死について、何を知っている?」

教会の神父は、ウォルトに言う。確かにあなたは″死″について詳しいが、″生″については無知である、と。
戦争を知っているウォルトの中にある、死の虚しさ。そんな彼にとって、生きることは何だったのか?
そしてモン族の少年を守るために、ウォルトが取った選択…

過去に人の命を″奪ってきた″老人が、最後に残そうとしたもの。
老兵は消え去るのみ。もう何も生み出せないかもしれないが、何かを残すことは出来る。
ウォルトの愛車「グラン・トリノ」には、彼の思いが詰まっている。そして思いは、受け継がれていくのかもしれません。
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