1967年 監督は今井正。原作はマリリン・モンローをモデルに曽野綾子が書いた同名小説。脚本は橋田壽賀子。
これを若尾文子が演じるのだから、どんな作品だろうと興味は湧くけど、残念ながら、駄作。今井正監督作品を初めて観たが、がっかり。(武士道残酷物語は封切り時に観ていた)若尾文子のいいところが全く出ていない。もちろん綺麗は綺麗だけど。
後日インタビューで「この頃、肌の露出が増えているようですが、嫌じゃなかったんですか?」と言う質問に若尾文子は「嫌に決まっているでしょう。でもしょうがないわね。大映の方針なんだから」と答えている。
なんかこのインタビューの延長線上にあるような映画だ。
外見の美貌だけの女、千坂京子(若尾文子)はちょうど砂糖菓子に群がる蟻のように男達が次から次に群がってくる。映画監督、芸能記者、大学教授、作家、それに野球選手。なんで野球選手?とよくよく考えたらジョー・ディマジオなわけで、それをつまり藤巻潤が演じているのだ。
衣装もマリリン・モンローを意識して胸を強調するような衣装が多い。
加えて、本人が頭が悪いとしきりにこぼす。実際そう言うシーンも多い。漢字が読めないとか、数を数えるのに指を折るとか。
なんか嫌になるような演出だ。
最悪なのは、ヌードポスター。
芸能記者の豊村の叔母の部屋にそのポスターが貼ってある。豊村は芸術性の高いポスターだから叔母は貼っているんだと慰めるが、そのポスターのどこが芸術的なのか信じられないようなポスターだ。もちろんモンローのポスターの真似はしているけど。
と言うことで、若尾文子ファンじゃないと
観る価値はないと思える作品だった。
2022.11.28視聴-524