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『日本ゼロ地帯 夜を狙え』に投稿された感想・評価

"嵐寛寿郎&藤岡弘"コンビの絵面が強過ぎる

石井輝男監督作品は多くは見ていないが、それでも良い意味で"石井輝男らしさ"をあまり感じられなかった
〈昭和100年記念・松竹×映画秘宝 映画祭〉@新文芸坐
4/22(水)19時半の回、『日本ゼロ地帯 夜を狙え』上映後、ダーティ工藤と田野辺尚人によるトークショー。〈90年代の石井輝男再評価の実際を語ります!〉との事前告知。


ヨロヨロと杖をつき、マスク姿でゼエゼエ言いながら、ふくよかな田野辺氏がまず登壇。事情は知らないけど満身創痍じゃないか。実物をみるのは昔(のちの岩田編集長がムック要員として雇われた頃)神田の映画秘宝編集部で対話して以来。

続いて石井輝男と親交のあった人物との紹介を受けて、サングラスに黒ずくめの出で立ちでダーティ工藤登場。

福間さんの『石井輝男映画魂』あとがきで〈石井映画への思いを語り合ってきた友人であり、本書のさまざまな部分で大きな力を借りている工藤公一さん〉と紹介されていたダーティ工藤。福間さんとは晩年まで共にイベントをやったりして、交友関係が続いていた。
トークの終わりで、いろいろヤバい話もあるのでSNSでは凄い話を聞いたくらいにしておいてくださいという田野辺氏に対して、工藤氏は、ん〜べつに良いんじゃないのー、みんな死んでるしさー、という風。

どうかなと思うのはダーティ工藤の☓☓に石井輝男が☓☓していた話や川谷拓三へのコメントくらいで、それほど危険な話もなかったと思いますが、

石井輝男再評価前後の話と『ねじ式』(98)の裏話くらいはと、以下に記録。



福間健二の石井輝男インタビューより早くおこなわれた、ダーティ工藤による石井輝男インタビュー。あれは80年代頭か、中盤くらいだったかな。79年の『暴力戦士』っていう『ウォリアーズ』のイタダキみたいな映画撮って以来石井さんは干されてて、自分はミニコミ誌やって石井輝男のこと書いたりしてたんだけどどうなってるのかなって、なんとか繋がりをたどって連絡してみたんですよ。それで会えることになって。

あんな映画撮ってるから、変態というか変人かと思ったら意外と気さくでイイ人なんですよ、最初は。

それで、、のちの石井プロのあったところ、調布のね、バス停からもだいぶ歩くあそこ、あなた(田野辺)も行ったでしょ?に行くってなって。

ここはどこだろうって場所なんだけど、そうしたら石井さんが外で迎えにきて、待っていてくれて。それ以来、石井さんと映画行ったりお茶して話したり仲良くしてくれて。

不思議だったけど石井さん、その後は知らないけどその頃は友達もいなくて寂しかったみたい。

新宿の喫茶店で会って話したりするんだけど。ウェイトレスみて、おいあの娘どう思う?って。どうって言われてもねえ。女性が好きだったよね。

で、自分はアテネ・フランセ(文化センター)の上映も手伝ったりしていて、その頃蓮實(重彦)さんの『リュミエール』が創刊されて。その『リュミエール』でB級映画の特集を組むから、自分のやった石井輝男インタビューどうだって松本(正道)さんが言うから、蓮實さんに電話してお伺いたてたんだよ。蓮實さん、新東宝のことはあんまり分かんないみたいで、うーんまあ良いんじゃないみたいな感じで。

それが『リュミエール』(9号、87年1月刊)に載ると福間健二から連絡があって。自分以外にも石井輝男に興味がある人がいると知ってビックリしたと。オレもオレ以外にそんな人いると思わなくてビックリして。

それで新宿で会って話したんです。いつか石井輝男の本を作れたらいいなんて話してたら、あとで福間さん1人で本出して、アレ?って気もしたけど。

あれ(『石井輝男映画魂』)がワイズ出版の最初の本だよね。もう今ワイズ潰れちゃったけど。あれは売れたんです、増刷して。あとでワイズ文庫にもなって。本は、増刷しないと利益なんて出ないんですよ。ワイズ出版はあれで行けると思っちゃったんだけど、結局出した本で2、3冊しか増刷した本なかったんじゃないかな。



( 上記の話に資料も参照して補完、時系列で整理すると石井輝男再評価の歴史は以下の流れとなる。

◯80年半ば、工藤公一が石井輝男インタビュー

◯84or85年、細谷隆広が大井武蔵野館支配人に着任。旧作日本映画で組むプログラムでやりたい放題

◯国際放映の倉庫で新東宝のフィルムが発掘、細谷は桂千穂らの助力を得て、フィルムの修復と上映可能作品の選定

◯86年7月、新東宝特集〈ゲテモノ・パラダイス〉@大井。大ヒット。同時期、支配人が細谷→小野善太郎

◯87年1月、工藤による石井輝男インタビューが『リュミエール』に載り、工藤と福間が会う

◯87年2月、特集〈石井輝男・華麗なるアブノーマル〉@大井。福間健二、小野より資料提供を受けて石井論執筆、それが石井の目にとまり知遇を得る

◯87年10月、福間→石井インタビュー1

◯88年7月、福間→石井インタビュー2

◯89年、ワイズ出版立ち上げでワイズ社長が大井を訪問、出版するなら石井輝男本が良いと小野支配人のアドバイス。

ワイズ社長があなたの本を出したいと石井とコンタクトを取ると、福間を入れるなら自分の本を作っても良いと石井が応える。それを受けて、

◯91年6 月、福間→石井インタビュー3

◯91年8月、福間→石井インタビュー4

◯92年1月、『石井輝男映画魂』刊行

◯92年2月号の『本の雑誌』で北上次郎が激賞し、読書人に広まる )







『ねじ式』は最初サブカルの人たちがいろいろ関わっていて、、ワイズ出版も最初はちょっと噛んでいて。主役は唐沢寿明でって話があったんだけど。唐沢寿明じゃねぇだろって。

で、石井さんは『無頼平野』(95)で気に入ったオスカーの子、、名前忘れちゃったんだけど、そいつがいいって言ってたんだけど、それは無くて。でその頃、原口智生から紹介があったのかな、手塚治虫の息子の、名前なんだっけ(田野辺「真、手塚真」)、そう、手塚真が浅野忠信で映画撮ってたんだけど、それが何か流れちゃって(『白痴』、撮影延期後.、99年公開)。で浅野はどうだって浅野に話が行ったら、本人も、今は知らないけどその頃はお父さんが窓口でお父さんも、みていてファンでってことで話が進んで。お父さんアレな人ですから。

つげさんも最近亡くなっちゃったけど、つげさんと水木しげるのコメントが欲しいって石井さんにリクエストされて。

つげさんはともかく水木さんなんて関連ないし連絡先分かんねーよ。でも一生懸命ツテ頼ってなんとか連絡して、まあコメントもらって。ってこともありましたね。



劇場はポレポレ東中野、当時はBOX東中野か、あそこはオレの『縄文式』上映した縁もあって、かけてもらえるってなって。そしたら石井さんはさ、オマエあそこは素人みたいな、インディーズの映画とかよくかかってる所だろ?って渋るんです。えー、まあそうですけどって。オレはさー、テアトル新宿とか、ああいうところが良いんだけどとか言うのね。(あんな感じなのに)テアトルみたいなのが好きなんだね。

しょうがねぇからってがんばって、まあなんとか東中野とほぼ同じくらいの時期にはテアトルでも上映してもらえることになりました。そんなこともありました。



大井武蔵野館以降、カルトの帝王なんて呼ばれてさ、でも石井さんはそんなんじゃないからって。自分は、成瀬(巳喜男)の直系みたいなこと言うんだよ。

外国人の映画研究家の、名前忘れちゃったな、なんだっけ、、そいつがキング・オブ・カルトとか言って書くから、石井輝男を紹介してくれって言ってきたんだよ。石井さんの前がケン・ラッセルで。で石井さんに話をもってくと、オレはカルトなんかじゃないからというから、ダメっぽいってそいつに繋げなかったの。そしたら後日、そいつから、別ルートから連絡したら石井さんホイホイOKしたって聞いて、アレ?って。一種の照れなんだろうね。

(カルトといえば石井輝男がキングオブカルトで、牧口(雄二)さんがプリンスで、、と田野辺氏が話すと、)牧口さんは助監督で、結託して石井さんのことあーだこーだ言って追い出したんだよ。でもそれで撮った映画は、石井輝男のエピゴーネンみたいじゃん?なんだかなあって思うよ。

自分は石井さんとはだんだん仲が、、っていうか、まあ、石井さんは最初はいい人なんだよ。でもだんだん(手下みたいに)使ってくるようになって。人を人と思わないところがあるんだよ。それが映画にも出てますよね。




(最後、石井輝男について何か工藤さんに質問ありますか?というアナウンスに)隣の隣の男性が質問する。

工藤氏が前段で、石井輝男の特徴は映画って起承転結があって、でも石井さんはその中で面白いと思う所をみつけて、そこをしつこくやる、そのバランスの悪さが個性だと言った話を受けて、先ほどおっしゃった強調する部分は、この『日本ゼロ地帯』ではどこですか?

それは本人じゃないからワカランけどさ。撮影所育ちなのにそういうふうに育ったというのが変だよねって。それよりアンタさ、なんで靴下脱いで裸足なわけ?ソッチのほうが気になっちゃうよ。

それ以上の質問はなく質疑応答は終わりでトークショー終了。



実は自分も工藤氏に聞きたかったこと――『続・石井輝男映画魂』(10)をワイズ出版が無断で刊行したことで、福間さんは怒りをあらわにしていた、それがどういう経緯で、和解して(ワイズ文庫第1弾として)『完本 石井輝男映画魂』(12)を出すことになったのか――があったけれど、聞かずじまい。この愚痴を福間さんから聞いたのが2011年。ワイズ文庫の立ち上げの発端は、もしかするとこのトラブルへの和解策だったのかもと思うが、これは石井輝男の話でなくてワイズ出版の話かも知れない。



SNS等では、博覧強記、記憶の鬼にうつるダーティ工藤氏が、じっさい話を聞くとけっこう物忘れもしていて、ふつうに人間なんだなと
inodon
3.5
石井輝男監督好みの俳優陣(吉田輝雄、三原葉子、嵐寛寿郎、田中邦衛、由利徹)が随所に配置されていて安定の石井輝男映画だった。
劇中、竹脇無我が2度リンチに遭うのだが、その場面が2回ともサディスティック感満載で、ここにも石井輝男的匂いを存分に感じた。
個人的には、好きな山茶花究を見ることができてよかった。古い映画で織田政雄や三井弘次らの渋い傍役俳優を見れるのはこの上ないよろこびだ。

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