ヤマダタケシ

斬り込みのヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

斬り込み(1970年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2022年9月 新文芸坐で『反逆のメロディー』と二本立てで
・より資本主義的な新興のヤクザによって、昔気質のヤクザが追い詰められていく。仲間は新興ヤクザの卑怯な手で一人ずつ殺されていく。ありふれた展開であるが、そこにかつて新興の組に自分の組を殺された生き残りのヤクザ=渡哲也が出てくる事で、急により映画的な作品になってくる。マントのような黒い外套を着た渡哲也は、明らかに他のキャラクターたちと存在感が違っており、より抽象的な、復讐の概念自体のようなものとして見えてくる。そうなると新興のヤクザも単なる組というよりは、より大きな価値観の変化、街の変化自体のようにも見えてくる。ラストシーン、死んだ組員たちの真ん中に立つ渡哲也が、死ぬことも許されるず、勝ち目のない戦いを続けなければならない感じがして、なんとなくデビルマン。
・強姦シーン、音楽はノリノリなのに、相手が同郷だと分かったことによって急に罪悪感を覚えてしまった男が、集団の中でひとり葛藤し続けることで嫌なバランスになっている。