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新幹線大爆破のbeachboss114のレビュー・感想・評価

新幹線大爆破(1975年製作の映画)
5.0
久々に見たが、やっぱおもろいな。今さら手に汗握るほどでもないが、よくできてるわ。

タイミング良く稽古で走ってくる柔道部御一行とか、タイミング良くボヤる喫茶店とか、ところどころトンチキな描写があったり、ダメ押しの「爆弾もう1つあるかもね」なんてお腹いっぱいで、さすがに「もうエエやん」って逆に笑っちゃうんだけど。

駅の張り込みで、眼光鋭い割には犯人あっさり見逃してしまうだけのカメオな刑事役に北大路欣也で特別出演とか、無駄に東映オールスターキャストなのも笑いどころ。岩城滉一とか多岐川裕美とか志穂美の悦ちゃんとか、別にいいんだけど、何かと気が散るのよ。「あんた、それだけかい」と。

回想シーンの処理や爆発シーンの挿入といったセンスのなさは、今も昔も知的貧者や脳ミソ筋肉層に対する配慮だろうから目を瞑るとして。

『サブウェイ・パニック』をかなり意識しているフシは伺えるが、ユーモアセンスや洗練度という意味では残念ながら遥かに及ばず。そこは東映だけあって、ギンギンギラギラ暑苦しくてド直球。要するに芸がない。でも「そこが良いんじゃない」と言われたら、確かにそうなんだけど。

あと、この時代の刑事物特有のファンクな劇伴(♪チャカチャカスカチャカ、ビヨ~ンビヨ~ンってヤツ)とか、女声のハミング(♪ルルルゥ~ってヤツ)も、今となっては「Gメン75」だけれど。丹波さんも出てくるし。しかも、こういう時の丹波さんって、もはや記号。何か知らんが、とにかく偉い人には丹波さん。

後に『スピード』に設定パクられたのは有名な話だが、もともとは本作自体がロッド・サーリングの『夜空の大空港』の巧みなパクり(飛行機の高度が下がると爆発するってヤツ)。これ、豆な。
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