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浮草のmajiziのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
4.0
小津安二郎監督のセルフリメイク作品。

しかも大映で!👀

いつもドロドロして感情的、扇情的な作品が多いイメージの大映映画。

そこの俳優さんたちが、棒演技っぽいセリフ回しで小津色にすっかり染まっています。

此処そこに赤色の小物が配置され、どこか牧歌的な音楽とコミカルな場面もあり、いつものカメラワークといつものローアングルな構図。


出ている俳優たちが大映だらけでも、誰が撮ったかすぐわかる作品って凄いなあと思いました。

なのでそこばかりに気がいってしまい、ストーリーはあまり見ておらず。笑

でもそんなに複雑ではなく、色々あったけどラストにしんみりするのも良いところ。

脇役の方達もいいし、「お早よう」にも出ていた子役も西瓜食べてるだけで絵になる。


若尾文子と川口浩のいつものコンビが、小津作品でもまた違った恋愛の形を見せていて郵便局でのシーンは凄くオシャレだった。
それから川口浩の顔を暗闇で見せない演出と間合いが素晴らしい!


京マチ子と中村鴈治郎の存在感は言うまでもありません。
小津作品でも、出てくる個性がやっぱり強烈。
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