たけうつ

HANA-BIのたけうつのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
4.1
この作品の好き嫌いで北野武の映画が好き嫌いが分かれるのではないだろうか。

映像: 4.7
音響: 4.3
物語: 3.0
演技: 3.9
構成: 4.5

プロットは暴力的な元刑事と妻の逃避行を軸に元同僚との関わりを描く、という初期北野武作品にありがちな設定で、「その男、凶暴につき」に近い。
明瞭なストーリーがあるわけでなく、人間関係の描写や過去の回想が多い。
ストーリーに没入しない分、キタノブルーに代表される青を基調とした映像と久石譲の音楽に没入できる作りとなっている。
寺島進と大杉漣の演技が良く、少ない描写で刑事の同僚たちの人間関係が想像できる。
主人公像は「義理堅い・愛妻家・喧嘩が強い・面白い」という北野武の理想像になっており、妻との旅行シーンはそれが多く描かれている。しかし、少し多すぎるし、独りよがりな印象を与える。
これは次作の「菊次郎の夏」でも感じた。

このように良くも悪くも北野武らしい映画なので、この映画の好き嫌いが北野武映画全体の好き嫌いの分水嶺ともなるだろう。
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