1948年ロバート・フラハティの「劇映画」。
「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」で見物。
ルイジアナの湿地に油田掘削の櫓艀がやってきて、気の良い作業員たちとケイジャン少年の間に柔らかな交流が…。
苦心の連続だった油田工事も難産の末見事に… というまるっきり岩波映画みたいな作品。と思ったら実際石油会社のPR映画として作られたものだったのね。
人口比で30%以上を占める黒人は登場せず、英語母語者とケイジャンフレンチを話す人たちとの交流が温かく描かれるけれど、やはりケイジャンが数段低い階層として位置付けられているのはデフォルト。
映像を見ながらずっとディーリア・オーエンズの『ザリガニの鳴くところ』を思い出していた。映画化されて今年封切だけど、ルイジアナと同じ南部ノースカロライナ州の湿地帯のお話。
ボートを駆使して湿地を動き回る様が重なって。
そもそもケイジャン料理ってアリゲーターの他にザリガニもあったと思うんですけどね。
「ドキュメンタリーの誘惑」っていう今度の企画にこの映画をセレクトしたのは小森はるかさんだけど、結構挑戦的ですよね。
あとこの企画、お代は30歳以下とそれ以上の2段階で、とりわけ若い世代に見に来て欲しい、っていう立て付けなんですけど、客は中高年が幅を利かせて残念感も。