とても印象的な場面が多い映画だった。
先入観なく、物事の本質を捉えようとする
少女アナの眼差しが心に残る。
彼女の無垢な瞳には何が映っていたのだろう。
黄色の磨りガラスを透かした採光が
画面を柔らかい蜂蜜色に染める。
そこはかとなく緊張感の漂う空間を、
対照的に優しく染めていく。
しかしこの映画の本質は、検閲の厳しかった当時、スペインのフランコ政権への批判が政府に解らない様に幾つものメタファーとして埋め込まれている点なんだろう。
少女の不可思議な成長物語に潜ませた、
当時の現状の厳しいトゲ。
残念ながら知識不足で、まだ全てを消化しきれていない。この映画をきっかけに、当時のスペイン内戦やフランコ政権の影響を勉強してみよう。
物語を通して、自分の知見が拡がっていく事も映画のもたらす贈り物の1つだと感じた。
生涯、大切にしていきたい映画になった。