巨匠ルキノ・ヴィスコンティを語ることは、簡単ではない。それに、私には、まだまだヴィスコンティの良さを理解することが難しい。
この映画は、滅びゆく美学を表現しているのだろうと思う。
主役のバート・ランカスターが、凋落するイタリア貴族を演じていて、見事だった。
なんせアラン・ドロンのファンなので、今作もたまらない。アラン・ドロンは、懐の深い男よりも、まだ若くて青二才って感じの役が、ほんとに似合う。そんなところに、儚さと哀愁を感じるのだ。
しかし、イタリア語の今作では、アラン・ドロンのイタリア語は、吹き替えである。アラン・ドロン自身の声ではないのが、ファンとしては、がっかりだ。
音楽は、「太陽がいっぱい」「ゴッドファーザー」でお馴染みのニーノ・ロータ。物悲しい旋律が素晴らしかった。