こなつ

ペリカン文書のこなつのレビュー・感想・評価

ペリカン文書(1993年製作の映画)
3.8
「ザ・ファーム 法律事務所」の人気作家ジョン・グリシャムの同名小説を映画化した社会派サスペンス(1993年)製作・監督・脚本を「大統領の陰謀」(1976)のアラン・J・パクラが務めている。

タイトルだけは知っていて前から気になっていたので今回アマプラで初鑑賞。

あまりスコアが良くない作品ですが、「プリティ ウーマン」以来ジュリア・ロバーツのファンということもあり、結構楽しめた。若き日のジュリア・ロバーツ(26歳)とデンゼル・ワシントン(38歳)の新鮮な演技が光っている。

法学部の学生ダービー(ジュリア・ロバーツ)は、ある事件に興味を持ち、仮説を立てたレポートを纏めて恋人の大学教授トーマスに見せる。ホワイトハウスに関係する犯罪の仮説レポートを書いたことで大事件に巻き込まれ、敏腕記者グランサム(デンゼル・ワシントン)と共に事件を追っていくという社会派サスペンス。

一夜に二人の最高裁判事が殺された事件に興味を持ったダービーは、自分なりに仮説を立てレポートに纏めた。そのレポートを恋人の大学教授トーマス・キャラハンに見せたところ、彼は友人のFBI特別法律顧問ヴァーヒークにそのレポートを渡した。殺された最高裁判事の一人は彼らの恩師だったのだ。そしてそのレポートがFBI長官のヴォイルズに渡ったことにより、ホワイトハウスにまでそのレポートの存在を知られることになる。

事件の核心をついたこのレポートは、やがて「ペリカン文書」と名前を変え、瞬く間にホワイトハウスを震撼させる爆弾となった。何故ペリカン文書と呼ばれたのか?レポートの内容が明かされて初めてわかる。冒頭に出てくる湿地帯の映像が意味するもの、何だか「ザリガニの鳴くところ」を一瞬思い出してしまった。

人から人に渡りその効力がきき始めたことによって、ダービーに命の危険が迫る。恋人のトーマスも彼の友人のヴァーヒークも何者かに殺され、彼女が頼ったのが記者のグランサム。二人は命の危機にさらされながらも、真実を知るために奔走する。

ジュリア・ロバーツの笑顔が好きなのに、この作品ではなかなか見られない。こんなにシリアスな彼女は初めてかもしれない。ラストシーンで映る笑顔がとびきり輝いていて綺麗だった。

ハラハラドキドキの展開だが、重厚なストーリーは見応えがあり、良い作品だった。
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