HidekiIshimoto

ペリカン文書のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

ペリカン文書(1993年製作の映画)
3.5
ジュリア・ロバーツはブリブリにかわいくてデンゼルはバキバキにかっこいい政治サスペンス。なのだけど現実のルイジアナ州油田開発に絡む話だとわかった時あっと思った。偶然その辺のことが克明に書かれた本読んでたとこだ。ルイジアナのバイユー(海辺の沼地)地域では60年代から化学工場の毒性廃棄物不法投棄で猛烈に汚染され、更なる油田開発と原油流出事故で環境も住民の暮らしも健康も無惨に破壊、共和党と癒着した大企業のエグすぎる所業も山のように書いてある本。けどこの映画はその辺には全く触れないまま、かわいいジュリアとかっこいいデンゼルで最後はめでたしめでたし。たまたまそんな本読んでた俺は1ミクロンもめでたく思えず、ジュリアのかわいいすぎる笑顔もリベラルの欺瞞に見えてきた。原発もテフロンも石油も、俺らの便利の元のどれもこれもが目も眩むばかりの破壊と汚染の上にあると思い知らされる今日この頃。いっそ風の谷の未来にまで跳んでミト爺になりたい(巨神兵でもいい)。