逃げるし恥だし役立たず

ボルサリーノの逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

ボルサリーノ(1970年製作の映画)
3.0
ジャン=ポール・ベルモンド(フランソワ・カペラ)とアラン・ドロン(ロッコ・シフレディ)の二大豪華スタアによるギャング映画。
序盤から中盤にかけてはカペラとロッコの出会いから二人の顔役の成功譚、中盤の食肉倉庫襲撃シーンからギャングとしての栄華と破滅が始まっていくのだが、筋がどうのこうのよりもカペラとロッコの二人の軽薄と重厚、動と静、陽と陰の取合わせが見事。フランス映画にありがちな展開の中弛みや緩さ、意味不明な台詞や表情、軽快な娯楽映画なのか荘重な犯罪映画なのかの曖昧さはあるが、フランスとイタリアの合作だけあり洒落たギャング作品に仕上がっている。映像と色彩とピアノ音楽にファッション、いや二人のスタアだけで十分幸せな作品である