カズオ・イシグロ氏の名作、日の名残りの映画版。原作をじっくり読んでいたため、いったいどのように表現されるのか楽しみにしていました。アンソニー・ホプキンスの演技はさすがに素晴らしかったですねぇ。本当は自分の意見もあるが、執事として主人には頑なに忠実であり続ける姿、ダーリントン卿が死してなお名誉を回復できない中、自分が信じてきたものへの迷い、戸惑い、ミス ケントンへの、今更ながら想いを募らせる姿、非常に繊細に描かれていました。原作の映画化としては申し分ない素晴らしい作品だと思います。この映画が好きになられた方は、是非ともカズオ・イシグロ氏の原作もお読みになる事をお勧めします。ミス ケントンに再会するまでの様子、心境がイシグロ氏により、さらに丁寧に描かれています。
