ガブXスカイウォーカー

探偵物語のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

探偵物語(1983年製作の映画)
3.8
高校生から大学生になっても、好奇心旺盛で度胸のある行動派、そして処女という設定は、みんな大好きなままの薬師丸ひろ子だ。まだ少女の面影を残した彼女が初めてキャバレーやラブホテルに行くなど大人の階段を登ろうとする姿はひたすら可愛い。安アパートで「私は子供じゃない」と突っ張って、松田優作に処女を捧げようと迫るなんて最高のアイドル映画じゃないか(ラストの初キスに当時、ファンたちは劇場で身もだえしたと言う)。

一方、相手役の松田優作は『太陽にほえろ!』(1973~1974年)や『人間の証明』(1977年)などで今にも人を殺しそうな目をしていた頃とはまるで別人で、ちょっとさえない探偵を温かく好演する。この凸凹コンビ(カップル)のやり取りを見ているだけでも充分楽しい。
でも殺人事件が起きるまでに39分も時間がかかるのは回りくどい。さらにラブホテルのトリックもなんでそんな簡単なことに警察が気付かないのか疑問は残る。脚本はかなり雑だ。

しかし、原田知世主演の『時をかける少女』(大林宣彦監督)と同時上映と言うこともあり、莫大な興行収入をはじき出して、大成功を収めている。今作は杜撰なミステリー要素は気にせず、黄金期の薬師丸ひろ子と角川映画の輝きを味わって頂ければ幸いである。懐かしさ補正でオマケして3.8。