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トランス/愛の晩餐のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

トランス/愛の晩餐(1982年製作の映画)
3.2
ニューウェーブロックスター『R 』に、ファンレターを出しては返事を待って待って待って待つのも限界になり「返事が来ないなら、私が彼の元へ行く!」で、さくっと家出したシモーネ。
TV局前で出待ちしていたらついに『R』が……。

スターにガチ恋した16歳の少女の行動力を愛でる作品でした。
ファンの異常心理(エロトマニア-妄想性障害、自分は相手から愛されていると妄想的確信を抱いている心の状態)
シモーネの相手に対する執着や妄想や行動の危うさよ……。
イマジナリー『R』とデートしてキスの妄想のシーン、自分の黒歴史を掘り返して血反吐が出るかと思った 笑

シモーネは『R』の目に止まって、収録やスタジオ入りやら同行させてもらえたうえに別荘へ招待され、そこで夢にまでみた愛の合体。

『R』にとってはワンナイト。
しかしシモーネにとっては……。

シモーネの一度手にした独占欲が妄想にブーストをかけて、衝動的に『R』殺害→解体に。
血は殆ど流れないし、人体損壊もマネキンの分解の如くきれいな演出。
その後のお食事風景もきれい。
少女の想像する同化願望をきれいにフィルターかけた感じ、グロさは皆無。

全裸でイトノコ?電動肉切包丁の刃についた血をねろんと舐めるシーンは倒錯的。

最後は骨を骨粉にして散骨までするのと、シモーネのラストの髪型に一番びっくり。
何故頭を丸めたwwww

監督が説明するには当時の若者の空気感を出したかったという話です。

時代が変われど、基本的に人間の行動は変わらないなあ……と。
当時にスマホが普及していたら炎上ネタになっていただろうことは間違いなさそう💧