Yukiko

狼たちの午後のYukikoのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.2
2022年4月24日
『狼たちの午後』  1975年アメリカ制作
監督、シドニー・ルメット。
この監督さんの『評決』『十二人の怒れる男』を
観たいと思う。

1972年、ニューヨーク市、ブルックリン区。
ソニー(アル・パチーノ)には妻と子供二人がいる。
このソニーとサル(ジョン・カザール)、スティーヴの
3人で、小さな銀行に強盗に入る。
が、早々とスティーヴが逃げ出した。
残るソニーとサルで、金庫のお金を強奪しようとしたが、
お金は既に他に移された後で、その金庫には大金はなかった。
その内に、その銀行はすでに多数の警官に包囲され、
マスコミが騒ぎ、更に見物人が取り囲み、上空には
ヘリコプターが飛ぶ。
ソニーとサルは銀行員7人と籠城するしかなかった。


銀行員の女性たちの反応が様々。
トイレに行きたいと言い出し、
ある人はずっとガムをくちゃくちゃ。
ある人はソニーの銃を手に取って兵隊の真似事。
ある人は、恋人と電話でやり取りする。
人質ではあるけれど、この銀行員の女性たちは堂々とし、
結束力も高い。

見物人の観衆たちも、ソニーを応援したり姿を見て
歓声をあげたりしている。
ソニーが同性愛者だと分かると、同性愛の団体が応援に
駆け付けたり。

食料のピザ配達員は、自らがスターになったように
振舞うし、タクシー運転手も同じだ。
警察以外の外野は、皆がこの事件を楽しんでいる風にも
見える。 アッティカ! アッティカ!って。

しかし、FBIは違う。FBIが来てからは状況変化。
事はうまく進んでいるように見せかけ、沈着冷静な
FBI職員は、一寸の隙をついてソニーとサルに対峙する。

その場面、繰り返して6回は観た。
ホント、一瞬。
その前のFBI職員の計算された言葉。
冷静な目つき。二人のFBI職員で、パッパとこなす。

1972年8月22日にニューヨーク、ブルックリンにある
チェース・マンハッタン銀行支店で発生した、銀行強盗
事件を元に映画化。銀行員を14時間監禁。
事件の犯人の容姿がアル・パチーノさんに似ていたので、
主演に選ばれたとある。

真夏の事件なのに、実際に撮影が行われたのは秋で、
役者さんたちは吐く息が白くならないように、口中に氷を
含んで演技をしたとWikipediaに記載がある。

犯行の動機は、ソニーの恋人の性別適合手術の費用を得る
為の物であったと言う。
映画での収益の一部をソニーは受け取ることができて、
それを恋人の手術費用にプレゼントした。
が、その性転換した恋人はエイズで死亡したという。
ソニーは60歳で癌でお亡くなりに・・・

ソニーの本当の妻と子供たちは???

アル・パチーノさん、この映画でも成りきり!
独りで大活躍!!のように、ハッスルしている。
Yukiko

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