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ヴァルハラ・ライジングのkouのレビュー・感想・評価

ヴァルハラ・ライジング(2009年製作の映画)
3.0
《監督なりの神話解釈》
ニコラス・ウェンディング・レフン監督。マッツ・ミケルセン主演。北欧神話をベースにし、とてもリアルな暴力シーンが特徴的な作品。また、コントラストのついた絵もこの監督らしいと思った。

奴隷の戦士として賭け試合に出るワンアイ(マッツ・ミケルセン)は一言も言葉を発さないが、その存在感が凄い。他の映画でも主人公の超人的、異様さというのはニコラス・ウィンディング・レフン監督の特徴だといえるが、今作のマッツ・ミケルセンもすごかった。

今作は全部で6章に分かれる。ワンアイが奴隷として戦っている所から始まり、彼がそこを抜け出し十字軍と共にエルサレムを目指す。序盤の展開に惹きつけられ、そのビジュアル的な鮮烈さも印象的だ。中盤、ある場所にたどり着いてから物語の難解度が増していく。

他のサイトでも書いてあるが、ワンアイというキャラクターは北欧神話のオーディーンを暗示しているという。ヴァルハラとはオーディーンの宮殿であり、今作はそのヴァルハラの誕生譚ということなのだろう。僕なりの考えでは、今作は北欧神話の元になった話をニコラス・ウィンディング・レフンなりに描いた作品といえるのではないか。細かい部分、特に後半からは難解で、未だ整理がつけていないが、そのビジュアル含め監督のアーティスト性が光る作品だといえる。
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