観ている内に題名なんて忘れて最後の劇中の台詞から"「聖者」の行進"って題名でよくない?って思ったら、「静かなる決闘」って。
一言に込められた題名がこの映画の全ての的を得てるじゃない。
カメラの構図が絵画の切り抜きのようにしっかりして美しいし、
全ての登場人物が余ることなく成り立っている。無駄がない。
女医さん役の方の演技がキャラクターの心情を表すことができていて説得力あったし、三船敏郎相変わらず格好良すぎでしょ!
人間が生まれて死ぬまでに出会うのが病院という場所。
その病院で患者、医者、看護婦、家族(と家族になれなかった者)が梅毒というものに関わりながらどう生きるのか。
そもそも人間とは一体なんなのかというテーマを観客に問いかける点に収斂していてそのまとめる力も、描き方もすばらしかった。
そして題名の通り終始一貫していて主人公が"脂汗をかきながら"「生きていく」様子は見応えあったし、格好良かった。
「梅毒」なんてテーマから人間とは何かを彫刻できるなんて。
テンポも良いし、台詞も短く的を得ていてみていて気持ちがよかった。