いしはらしんすけ

男はつらいよのいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

男はつらいよ(1969年製作の映画)
4.1
これだけアマプラに入ってたんで、おそらく20数年ぶりに観たけど、いやはやなんだかんだ面白いですな。

テレビシリーズとの差異とかよく知らないんですが、とりあえず定番フレーズ、喧嘩シークエンス、旅に出て戻る、思わせぶりマドンナにフラれるといったルーティンは、この1作目の時点で漏れなく配備。

ただ、幼少期以来の寅さんとさくらの再会、さくらと博の結婚といったエポックイベントがあるので(なんならサラッと満男も生まれちゃう)、後のシリーズよりお得感あるかも。90分ながらいい意味で長く感じるというか、内容が「濃い」というか。

あと50年も前の作品なのに、全編きっちり笑えるのは何気に凄い。演出はたまにちょいくどいけど、ギャグがいちいち面白えんだよなー

そしてその面白さを担保しているのは、当然渥美清の芸達者ぶりで、この寅さん力はまさに唯一無二といったところでしょう。

マドンナの光本幸子さんはちょっと世代的にピンとこないけど、倍賞千恵子さんの輝くばかりの美しさも眼福。

ある意味、めちゃめちゃよく出来た長編コントを観る感覚でも楽しめる、日本が誇るウェルメイドコメディですな。