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欲望という名の電車のmajiziのレビュー・感想・評価

欲望という名の電車(1951年製作の映画)
3.5
テネシー・ウィリアムズの戯曲を映画化。

屋敷や農園を失った未亡人ブランチは、妹のステラの元へ身を寄せる。ステラの夫スタンリーはブランチに反感を抱き、ブランチも彼を嫌う。やがてブランチは過去を暴露され精神的に追い込まれていく・・・という物語。

映画にあたり、ちょっと設定がマイルドになっていて、しかも核心となるところがぼやかされているので、ちょっと物足りない感じはしました。

が、ブランチにいらいらすること間違いなし!笑

もうこの見栄っ張りでプライドの高い嘘つき女、どうにかしてってぐらいヴィヴィアン・リーがイカれた迫真演技。

一方、スタンリーも負けず劣らず典型的なDV夫でこんな奴を好きになった妹のステラはやばくない?って思うんですが、演じているのがマーロン・ブランド(若い!超絶イケメン!!!)なので説得力しか無く。

怒った後の泣き落とし演技とかこいつクズ中のクズやのに!どこまで色気出してくるねん・・・となります。
得てしてこういう男に捕まっちゃうんだよね…女の人って。

ヒステリーなブランチと、暴力的で粗野な荒くれ者のスタンリー、この2人のぶつかり合いが、もうやめてくれ〜と見ていてしんどくなる。

後半はどんどんブランチもエスカレートしてスタンリーの友人と結婚を目論むのですが、この展開もキツイ。

ブランチが若くないってことに気がついたときの相手の手のひら返しが残酷だし、なんか必要以上に意地悪というか、そこまで罵詈雑言あびせることないじゃないかー!って思う。

この作品で2度目のオスカーを受賞したヴィヴィアンの衰えていく容姿と女としての価値にすがるしかない哀しい人間の壊れていく様子が見事でした。
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