結論として、映像作品としては、素晴らしい。映画としては、不快な2時間だった。
映像テクニックや、アングル、演技、台詞などは素晴らしいが、主役の二人が嫌な人物すぎるし、結末後味悪過ぎる。
ヴィヴィアン・リーの演技は凄いのだけど、「何がジェーンに起こったか?」のベティ・デイビスに似ている。とても見苦しい演技である。
むしろ脇役の、夫依存症を演じたキム・ハンターと、情け無いマザコン独身男を演じたカール・マルデンはオスカーに値する演技であった。
そして、完璧な演技を観せたマーロン・ブランドが1番素晴らしかった。でも、モラハラ暴力男の役なので、共感できなかった。
舞台の初演時と同じく、主役はトニー賞をとったジェシカ・タンディのブランチで観たかった。何故、主役だけヴィヴィアン・リーに変更したのか?理解不能である。
裏切り者のエリア・カザンの人間性が、この嘘つき、暴力、狂気のテーマに滲み出ているようにチラついてしまって、真っ当な評価ができなかった。