のりまき

プレステージののりまきのレビュー・感想・評価

プレステージ(2006年製作の映画)
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面白いけど何かが足らない。マジックに対する情熱が、ライバル意識に負けている気がする。画面は非常に華やかで、見せ場多数。トリックも片っぽはともかく、もう一方はぜってぇ判らないようになっているのも笑える。なのに「また見よう!」とならないのは、やはり飛翔感が足らないから。でもマイケル・ケインがスッゴくよくて、ヨハンソンが可愛いからまた見てしまうよ。
ノーランにしては受けを狙ったようなキャスティングのわりに小粒な印象になってしまったのは、「色と欲」というこの作品の根幹をなす部分に監督が興味を持てないからなのだろうな。だから全体を見渡す狂言回しマイケル・ケインが立ち上がってきちゃうんだな。縦ロールのスカヨハ可愛いんだけどね。インパクトあるシーンや台詞が引き算になってしまう勿体なさ。総てを帳消しにするトム・ヨーク。

胡散臭いクリスチャン・ベイルとヒュー・ジャックマン。そうでなきゃいけないけど、やっぱそこにもう一深み欲しい。ロバート・ダウニーJrならやれそうな気がするんだ。スウィッチに次ぐスウィッチ。好きなタイプの話しだし、繋ぎも上手い。そのパートを受け持つマイケル・ケインは完璧。ウットリ。テスラを演じるボウイも神秘性足りず。
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