のりまき

ナイトブックののりまきのレビュー・感想・評価

ナイトブック(2021年製作の映画)
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「Ordinary is sucks!」

自分のことで両親が揉めている間にこっそりと家を抜け出すアレックス。リュックの中にはお気に入りだったホラー小説や自分で書き溜めたノート。「こんなもの燃やしてやる」
しかし止まってしまったエレベータから降りて、まんまと罠にはまってしまう。
魔女の家に閉じ込められて、生き延びるために毎晩シエラザードのようにお話しを一つすることになる。ただし怖い話を…。

思い出したくもない記憶から逃れるためにフツーになろうとするアレックスに先輩のヤズミンがいい放つのが冒頭の言葉。
ありがちな話しながら(みんな大好きグリム童話!)説教臭くないのは、とにかくアレックスが卑屈で完璧ないい子ではないから。なんだかとてもリアルな子。
みんなと同じでなくてもいいよ。変わっていたっていいんだというメッセージが1本通っている。
「子を思わない親がいる?」という反語が繰り返されるが、底には怒りではなく諦念が潜み、これまたリアル。まあ、『大人はわかってくれない』ものですよ。

単純な話で、特に怖くもなく(パケよりかなりカラフルでポップ)、ゴア描写はお菓子に置き換えてあるのでお子さまと見ても安心。親としてはそのベトベトを洗うことを考えるとゾッとするけど。

スフィンクスって無口なイメージだけど、レノーアちゃんはにゃーんと鳴きます。
のりまき

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