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アメリカン・グラフィティのNYoLoのレビュー・感想・評価

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)
3.5
今の若者が青春時代をこんな風に切り取ろうとしたら、どんな服で、どんな音楽で、どんな乗り物で描くだろう。
そう考えたら、みんなが納得するアイコンが何もない気がした。それくらい価値観が多様よね、今って。

私にも、私に響く音楽とかあるんだけど、この映画の時代とはちょっとだけずれていて、個人的には響きはしなかった。でも、これが響く人の気持ちはよくわかる、って思える切り取り方でした。あのころのアメリカの青年たちには、これが万人の共感する「青春」なんだろうなって。

なんだかんだと実家を中心に回っている世界。友だちと彼女と、車と音楽と、夜遊びと進路と。夜な夜なドライブする道路みたいに、どこまでも続いているようで回っているだけの高校生が、いよいよ分かれ道に立つ。その一夜を描いた群像劇です。この道でいいのかと悩む姿を、彼らの日常生活の延長に巧く溶け込ませていて、不思議と鮮やかに記憶にこびりつく映画でした。


そういえば、最近映画見てたらやたらとチェリーコークに出会うのよね。飲んだことないけどこれもあの頃のアイコンなんだろうなぁ。
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