大好きな、大切な映画だから、
多くの人に知ってもらいたくて、
思い出してもらいたくて再投稿。
1972年公開。当時まだ中学生だった私はこの映画で3度泣いた。
物語は中世イタリア。
豪商の一人息子フランチェスコは地元の期待に応える形で戦地へ。
ごくごく平凡な青年だった彼は心にも体にも傷を負って帰国する。
幾晩も戦争の悪夢にうなされ、苦しむフランチェスコ。生死の間を彷徨う。
ある朝、そんな悪夢から解放されたかのような気持ち良い目覚め。
気がつくと、窓辺の小鳥のさえずり。
小鳥を追って屋根に歩むシーン。
そこに主題歌が静かに流れる。
「ブラザーサン&シースタームーン♪」
もうここで大号泣。
地下室の病気の奴隷労働者にハグするシーン
苦悩に打ち勝ち法皇に会うシーン。
どれも清いシーン。
いや、全編が清い!清すぎる!
何十年ぶりに再見するにあたり、
この映画がどうかというより、
私自身がこの何十年年でどう変わってしまったが試されるような気がしていた。
中学生の僕は、この映画の純真さに
心打たれ、涙したが、
いろいろ経験?して大人になったおじんの僕。
中学生と同じ気持ちで、この映画を感じることができるか、受け止めることができるか、
この長き年月の間に失ってはいないだろうかと心配だった。
さて、再開した純真映画に対して、
中学生の頃、気がつかなかったことも見えてきた。
ます、当たり前のことだが、これは一級品の「宗教映画」であること。
宣教師の話であること。切り口は特別な仕事に携わった人々の話であるが、根底には普遍的な源がある。
それから、我が道を模索したい息子と伝統的なものを受け継がせたい父との葛藤という多くの映画が語ってきた親子映画でもあること。
父子の対立の中で、母親の眼差しの優しさも感じた。
さて、「宗教映画」バリバリの本作を再び観た私。
3度は泣かなかったけど、観終わった後はなんとも清々しい気持ちになった。
そして、公開当時と同じくらいに、「この映画が好きだなあ」と感じた。
また、10年したらこの映画を観よう。
そして、その時の自らの心の純な部分を試ししてみたい。
私にとって大切な、大切な一本である。