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彼とわたしの漂流日記のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

彼とわたしの漂流日記(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自殺するつもりが無人島に漂着してしまう男の話。

所謂、無人島サバイバルものなのですが、本作が面白いのは主人公が自殺志願者という事。
当初は島でも自殺を試みるのですが、ちょっとだけ足掻いてみたり、ヤケクソ精神を発揮している内に、段々と生への執着を取り戻していくと。
最終的にはジャージャー麺の自作計画にまで取り組む始末で、当初とはまるで人が変わっていきます。

無人島での生活で、主人公は文字通り生まれ変わるわけですが、人が生まれ変わるという事は、価値観そのものを変える事なんだなと思いました。
一日一食でもジャージャー麺を食べられたら幸せ…そんな価値観を持って生きていれば、どんなに辛い目に遭っても自殺を考える事はなかった事でしょう。
そして、価値観を変える為には、生活環境を変える事が一番手っ取り早い方法なのかもしれません。

物語的には、サバイバル生活を送る主人公と、彼を観察する引きこもり女との奇妙な交流が描かれていきます。
この引きこもり女の妙なルーティンワークも面白いんですけど、主人公を見守る内に、彼女自身も少しずつ変わっていくと。
誰かの頑張ってる姿を見て、自分自身も勇気を貰うというのは、映画を観る我々観客にも同じ事が言えますし、観る前と観た後で自分自身を変えてしまう映画こそが、優れた映画と言えるのではないでしょうか。

基本的にはコメディーとして、楽しく観れる作品ですし、それでいて、ホッコリしたりや前向きな気持ちにもさせてくれる。
誰にでもオススメ出来る、万人向けの娯楽作ですね。
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