サトミン

愛人 ラマン/恋人・ラマンのサトミンのレビュー・感想・評価

4.3
エンドロールで、作品中にでてくる登場人物に人名が無いことに気づく。
あれ、お互いをなんて呼んでいたかな。
あえて登場人物に名前を付けない理由、以下個人的見解として。
この広い世界のなかには、名も残らない小さな私的な出来事がある。でも当事者ではないとわからない熱量があるんだよという投げかけだと思う。自叙伝ということもあるしね。
チャイナマン。一目惚れから本気の愛を知り葛藤で苦しむ華僑の裕福な中国人青年。
ヤングガール。失ってから心から好きだったことに気づく貧しいフランス人。
かたや少女異性への興味、かたや金稼ぎから始まった二人の関係。
恋に発展しているのだが頭では気づかない。そして、時代や立場で結ばれない運命。
マルグリット・デュラスの小説『愛人/ラマン』(河出書房新社)
フランス統治時代、1929年ころのチョロンのチャイナタウンが舞台。
BGMとベトナムの風景、インテリア、抒情感あふれる画質の色合いが良い。
女優ジェーン・マーチの体当たりの演技に敬服。
作品にどっぷり浸かりたい映画。
人生のいろいろな経験積んでから2度以上鑑賞する事をオススメします。
初鑑賞は今年の春でスコアは3.8。
この映画、評価スコアの点数が、5or1。これだけ評価の別れる映画も珍しい。
1929年のフランス領インドシナが舞台。
追記
ナレーション:ジャンヌモロー。
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