YasuhitoArai

スパイのYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

スパイ(1957年製作の映画)
3.8
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作品。
パリ郊外の精神病院の院長のマリクは、米国戦争心理協会のハワード大佐と名乗る男から、アレックスという男を患者として入院させてほしいと言われ・・・という話。

サスペンス。ある男を匿うことになるが、東西両陣営のスパイが身分を偽りながら接触してくる。この人物はどちら側の人物だろうか、またこの人物はいったい何者?というような疑問が観ていて常に付きまとう。そしてどんでん返しが続いたり、登場人物が多くて、終盤に向けてかなりごちゃごちゃしてくる。
主人公の院長が巻き込まれていく感じで話が進んでいく。あまり考えてないバカな感じがより巻き込まれた感じがして良かった。スパイ合戦の話だけど、全て主人公の妄想だったのではと思わせた。

サスペンス要素がありながらも、濃いキャラの面々、オカリナ軍団等コメディ的な要素が挟み込まれていて面白かった。オカリナのメロディと、黒電話の耳をつんざくような音が良く、黒電話の存在感が画に映えていた。
ベラ・クルーゾーの羽毛撒き散らしも観ていて面白かった。

オープニングのパブが屋根から水を落としているのが好き。
YasuhitoArai

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