ブタブタ

イベント・ホライゾンのブタブタのレビュー・感想・評価

イベント・ホライゾン(1997年製作の映画)
4.0
『モンスターハンター』も楽しみな我らがボンクラ映画の巨匠〝ダメな方の〟ポール・アンダーソン監督のカルト的人気をもつSFホラー映画。
既に言われてますが兎に角パクリというかあらゆるこの手の作品のパッチワーク、サンプリングで出来ていて、もはやそのやりすぎ感は凄まじく現代美術の域に入ってる。
前半はエイリアン、後半はヘルレイザー。
というよりピンヘッドがババー('ω')ーン!!と出てくればヘルレイザーの一編として充分通用すると思う。
超空間航行システム「コア」が宇宙の深淵、異次元又は「地獄」に行ってしまった事により人智を超えた恐怖世界が現出するわけですが、宇宙船イベントホライゾン号自体が生命体となりセノバイド化してるとも言える。
兎に角見るべきは美術デザインでエイリアンのギーガーによる「バイオメカニクス」ともまた違った、未来の(架空の)機械でありながら中世の寺院の様なゴシック的かつ金属でありながら何処かヌメヌメと生物的でもある。
この映画、パクリの集大成みたいに言われてますがこの映画も後の映画『クローバーフィールドパラドックス』『インターステラー』等などに影響を与えてる。
コアに続く回転する回廊は、大々駄作『宇宙戦艦ヤマト2202』の「時間断層工場」でそっくりそのままデザインが使われてるし。
地球ゴマ(懐かしい)みたいな「コア」は人工ブラックホール発生装置で「宇宙空間を折り曲げる事によりワープが可能」というドラえもんでもやってたトンデモ超科学。
完全にセノバイド化したキチガイ博士(サムニール)の全裸・傷だらけスタイルの、頭部全体にギソギソ傷がつけられてるデザインはちょっと前に流れた方の『ヘルレイザー・リブート版』の凄くダサい「新ピンヘッド」に何故か似てるので本家ヘルレイザーの方もリブートに際して本作を参考にしたのかも?
クライマックスのコアの周り全体が「地獄化」した場面で一瞬しか映らないクルーの悲惨な最後がまたヘルレイザー的で、顔面串刺しや目を抉り出されてたり有刺鉄線緊縛に更に蛆虫だらけ。
全体を写した写真もネットで検索すれば見れますが、金髪美女の中尉さんが有刺鉄線緊縛磔でその周りに串刺しやら手足バラバラやらクルー達が酷い有様で配置されてて、まるで祭壇か宗教画みたい。
このシーンはもっとじっくり映して欲しかったです。
兎に角好きな映画。
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