9月3日はフランスの奇才ジャン=ピエール・ジュネ監督、64歳のお誕生日です！
本作も公開されてからもう7、8年が経ってるんですね。
「アメリ」で爆発的なフランス映画ブームを巻き起こし、
「ロング・エンゲージメント」制作後にジュネが再びおもちゃ箱をひっくり返したようなアメリファン待望のコメディ映画を作ったぞ！ということで、ミニシアター界隈ではそこそこの小ヒットを記録してた佳作。
幼い頃に中東で仏産の地雷により父親を亡くし、30年後には発砲事件の流れ弾が自分の頭の中に残ってしまった主人公バジル。
路頭に迷った所をスクラップ場の奇妙な仲間たちに歓迎され、彼らと共に地雷を製造した軍需会社と銃弾を製造した武器会社へ復讐を仕掛けます。
「デリカテッセン」みたいな脱出法、「ロストチルドレン」みたいなガラクタまみれの部屋、「アメリ」みたいな不法侵入などそれぞれの踏襲を匂わせつつ、
ジュネらしいユーモアに富んだ展開や可愛い美術、ユニークなキャラクターなどの要素を実にファンタジックに構成。
マルク・キャロとの共同監督を解消してからは独特の暗さや毒気、カルト臭が影を潜め、
逆に脚本家ギョーム・ローランとコンビを組んでからは明るくてハッピーな娯楽性に重きを置き始めたジュネ。
また本作ではフランス国内における汚ない銃犯罪や軍需産業の弊害を結構ガチめにdisっており、
美しきフランスをもっと平和でハッピーな国にしたいというアプローチに、そうしたジュネの人となりが溢れているのです。
