私は大のリンチファンです。だからこの映画を障害者に関するヒューマンな意図から作ったとは到底思えません。
「感覚的に受け入れられない」という、現実には存在しない障害者を作り出し、それに対する人々の反応が描かれます。
主人公はなにか別のものの比喩のわうにわたしには思われます。彼の意思が描かれないのはそのためかもしれません。
その「なにか」とは、猟奇的な感覚を引き起こすものだろうと思います。それを覗き込むと、戦慄と執着、恐怖と快楽が湧き上がってくるものです。
それを描くのが、映画の狙いのように感じました。リンチは健全で感動する映画は作り(作れ)ません。